ぶっ壊れるまで

すぐそこの曲がり角からこちらに向かってやってきたのは鋼鉄製、空っぽの台車。
急カーブ。鼻先の見えた空っぽの台車。


空っぽの台車「ガッシャン、ガッシャン、ズデデデデ。」

クルリ旋回、こちらを向く空っぽ台車。
ここからはカラッポって呼ぶことにしよう。
鋼鉄製の強面、鉄パイプで出来た骨っぽい男。
なんとも憎めない奴だから親しみを込めて呼び名を付けた。
親しみを越え、私と同類か?仲間か?とさえ思える。
それにはこんな理由がある通渠公司

積まれてはおろし、また積まれる。
どっこらせと重い食品の入った段ボールをボンボン積み重ねられる。
重いからって嫌とはいえない、ぶっ壊れるまで使われる運命といっていい。

今のカラッポには積まれていた食品の段ボール箱は一つもない。
この日、この時のカラッポはどこか寂し気でクサクサしていたよ。
ヤサグレていたかもしれないね。整備もきちんとされずにコキ使われているのだから当然さ。
都合よく使われ、ほったらかし。
やはり私の仲間だ。同情するよ。
親しみを込めて今ならカラッポと呼べるよ。三年も経ったのだから。
今の私から三年前のカラッポに言うならこの言葉がふさわしい。

「君は何も悪くない。そうだろう?」

荷車、戸車は悲鳴を上げていた。遠くで聞いていた音の比ではない高壓通渠
転がりの悪い四隅の車。
カラッポは全身をこちらに向けると私の背後に迫っていた。


カラッポ「ズデズデ、ズデデ…。デデンのデン。」


私は背を向けていた。
見えてはいないが音で分かった。
大きな異音。何らかの異変は予感していた。


ゲホ「おい、モゴ危ないぞ。ゲホ。」

私=モゴ「ん?」

白いカッポウギ「そこ、お客さん危ないから。ほれほれ、どいた。ホレ、ドイタ。」

一人カッポウギが私に叫ぶ。
傾き勢いのついたカラッポ開香港公司
猛牛のように荒々しく、声も高らか迫りくる。

 

続く。

 

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(時折…9部門?になっているような…?)

 

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